【ワシントン=小雲規生】トヨタ自動車は5日、燃料電池に関する約5680件の特許を自動車メーカーや部品メーカーなどに対して無料で開放すると発表した。特許開放により燃料電池車の生産や水素ステーションの設置を後押しすることで、燃料電池車の普及に向けた環境整備を進めることが狙い。
対象となるのは燃料電池に関する特許約1970件や、燃料電池を制御するシステムに関する特許約3350件など。いずれもトヨタが単独で保有している特許で、燃料電池車に関するものは2020年までの期限付で開放される。水素の生産や供給に関する特許には開放期限は設けられない。
トヨタは昨年12月、世界の自動車メーカーとして初めて燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の一般向けの販売を始めた。特許開放には燃料電池車の規格でトヨタ方式を浸透させることで、市場での主導権を握る思惑もありそうだ。
エコカーの特許をめぐっては、米電気自動車(EV)ベンチャーのテスラ・モーターズが昨年、EV関連の特許を開放している。