東京大学医学部付属病院と富士フイルムなどが、立体の造形物を簡単に作製できる3Dプリンターと遺伝子工学を駆使し、人体に移植できる皮膚や骨、関節などを短時間で量産する技術を確立したことが2日、分かった。移植の難題となっている感染症の危険性を低く抑えられるのが特長。世界初の技術といい、5年後の実用化を目指している。
開発したのは、東大病院顎口腔(がくこうくう)外科の高戸毅教授らの研究チーム。肝臓など臓器にも応用する考えで、体外で生成した健康な組織を患部に移植する「再生医療」を大きく前進させる可能性がある。
高戸教授によると、病気やけがで皮膚、骨、軟骨、関節の移植が必要な患者は国内で計2000万人以上。現在は患者本人の患部以外から切除した組織を使うなどしており、体への負担が大きい。