トヨタ自動車はサプライヤー構造再編に動き出した。11月にブレーキ事業、マニュアル・トランスミッション、ディーゼルエンジンの生産開発集約を発表。今月に入ってシート骨格、ドアフレームなどの集約が決定し、シロキ工業とトヨタグループの大手部品メーカーのアイシン精機は2016年に経営統合する。
15年から導入されるトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ(TNGA)と銘打った設計・調達構造への対応を進めることに加え、先進運転支援システム(ADAS)やその先にある自動運転技術も見据えた、「走る」「曲がる」「止まる」の機能を統合したシステム開発力の強化を目指すというのが一般的な見方だ。
日本の自動車産業の競争力の源泉には、ジャスト・イン・タイムに代表されるトヨタ生産システム、パートナーシップに成り立った垂直統合のサプライチェーン、部品メーカーが高度に関与する擦り合わせ型の開発モデルがあった。しかし、競争領域と非競争領域を分け、標準化・オープン化を通して非競争領域のアウトソーシングを実施し、モジュール構造で全体最適を進める欧州メーカーの戦略に日本勢の競争力が脅かされて久しい。