ワイモバイルのエリック・ガン社長は18日、産経新聞のインタビューに応じ、NTT東西地域会社が来年開始予定の光回線卸売り事業を利用し、光回線と携帯電話の「セット割引」に乗り出す考えを明らかにした。NTTドコモが来年2月にも「ドコモ光」の名称で同様のセット割引を提供する意向だが、ガン社長も「第1陣でスタートしたい」と、ドコモとの同時スタートを狙う。
ワイモバイルは、今年夏にイー・アクセスとウィルコムが統合して発足したソフトバンク系の携帯電話会社。
同社は今月からスマートフォンの契約者にSIMカードを最大4枚提供し、使い切れないデータ通信量をタブレット端末などでも利用してもらうサービスも始めており、セット割引と組み合わせるなど、独自サービスで契約獲得を狙う。
ガン社長は「セット割によって、個人顧客だけでなく『家族』を獲りに行きたい」と意欲を語った。新サービス開始に向けて料金プランなどの検討を進めている。
ブロードバンド市場は、通信速度の速い光回線や移動体通信を選ぶ利用者が増え、ADSL(非対称デジタル加入者線)の総契約件数は全体の約1割まで落ち込んでいる。同社は前身のイー・アクセス時代からADSL回線の販売を手がけているが、光回線のセット割引に乗り出すことで、ADSL利用者の契約を移行させたい考えだ。