2014.12.5 21:26
スーパーの特売商品にされる冷凍食品も、各社が来年から値上げする=千葉県内のスーパー(平尾孝撮影)【拡大】
急激な円安進行で、冷凍食品や即席麺など食品の値上げ表明が相次いでいる。5日にはコクヨが文具1122品目の平均9.5%引き上げを発表するなど、価格改定は生活関連商品全般に広がりつつある。輸入食材の多い外食産業も値上げ実施を余儀なくされつつあり、価格改定は“秒読み”とされる。円安による輸入品の値上がりは、消費者や輸入企業を直撃しそうだ。
来年1月に即席麺を値上げするエースコックの村岡寛社長は、「この値上げを決めたときの円相場はまだ1ドル=100円台後半。120円までの円安は想定外。この水準ならさらに値上げも考えなくては」と語る。
すでに冷凍食品、アイスクリーム、パスタ、食用油などは主要各社が値上げを表明。スーパーなどで扱う食品は「来年は値上げの春」(食品スーパーいなげやの成瀬直人社長)を迎えそうだ。1ドル=120円台の円安水準が続くようだと、第2弾の値上げも現実味を帯びる。
4月の消費税率引き上げ前後のメニュー改定で、高価格帯を拡充させるなどしてきた外食産業は現状では値上げに慎重だ。だが、円安による輸入食材の高騰は「一企業の努力ではもはや限界」(レストランチェーン首脳)という声も多い。
輸入牛肉の上昇で牛丼チェーン幹部は「もはや牛丼を300円台で提供することは無理かもしれない」とこぼす。中小企業も多い外食各社の値上げが、いつ起きてもおかしくない状況だ。