富士通と子会社のデジタルプロセス(神奈川県厚木市)は26日、製造業向けに3D(三次元)データを活用し、製品の組み立て作業を効率化できるソフトウエアの販売を開始した。12月中旬から出荷する。今回、両社は製品の組み立て手順や工程ごとに表示し、全体の流れを簡単に把握できる機能を開発した。
富士通が発売するのは、バーチャル・プロダクト・シミュレーター(VPS)と呼ばれるソフトの最新版「V15L15」。3Dの設計システム(CAD)で取り込んだ製品を、各部品単位まで詳細な組み立てや手順に並び替えられ、工程ごとに分割できる。さらに全体の製造工程も表示できる。
これにより、並行作業やサブライン化など工程間の関係も考慮しながら効率的な組み立て編成が可能になる。また、このソフトを使えば、バーチャルで製造ラインを編成できるため、試作用の金型を作る必要がなく、コストを大幅に削減できる。
このほか、製造工程をアニメーションで再生でき、瞬時に作業指示書も作成できる機能もある。価格は標準タイプが400万円(税別)。富士通は工作機械や医療機器メーカーなどをターゲットに今後3年間で6000ライセンスの販売を目指す。