【茨城発 元気印】メークス 住宅基礎鉄筋トップ 工期短縮工法開発 (1/4ページ)

2014.11.20 05:00

機械を使って鉄筋を折り曲げる従業員=茨城県常総市きぬの里のメークス茨城工場

機械を使って鉄筋を折り曲げる従業員=茨城県常総市きぬの里のメークス茨城工場【拡大】

  • 森山慶一社長
  • 住宅基礎の工期を短縮する新工法を見学するハウスメーカーの関係者ら=10月10日、茨城県阿見町

 国土交通省の建築着工統計調査によると、2013年度の新設住宅着工戸数は全国でおよそ98万戸にのぼる。住宅のベースとなる基礎工事で、現場での作業を飛躍的に効率化する「ユニット式基礎鉄筋」などの商品をいち早く導入し、6月に設立30周年を迎えた住宅基礎鉄筋業界のトップランナーが、茨城県守谷市に本社を置く「メークス」(森山雅明会長)だ。

 ◆軒先を借りて創業

 東京都葛飾区の下町生まれ、下町育ちの森山雅明会長が勤めていた会社を辞め、創業を決意したのは、1979年のこと。「自分は何のために仕事をしているのか。自分の会社で社員を雇って、地域に貢献したい」と85年、取手市で知人の工場の軒先を借りて、基礎鉄筋加工会社「有限会社森山商事」を設立したのがすべての始まりだった。

 「やるからには、まだ誰もやっていないことをやりたかった」(森山会長)。着手したのは、工場で加工・生産し、現場で組み立てるタイプのユニット式基礎鉄筋の製造・販売。作業時間の短縮によりコスト削減効果が立証されると、多くのメーカーから注文が相次いだ。受注に対応するため、86年3月に守谷市に自社工場を構えたのが現在の礎となった。

 時代は昭和から平成への転換期。住宅着工戸数が年間120万戸に達するなど業界が好況期を迎える中、それまでの少品種大量生産型から多品種少量生産への切り替えを進めた。1棟ごとの図面に合わせた基礎鉄筋のオーダーメード生産、自社オリジナル商品の開発に注力することで、バブル崩壊も乗り越え、大手住宅メーカーとの直接取引を増やしてきた。森山会長は「利益だけでなく、お客さまに満足してもらいたい、喜んでもらいたいと、考え続けてきた結果」と振り返る。

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