2014.11.8 05:00
□ホールマーケティングコンサルタントLOGOSプロジェクト上級研究員・岸本正一
「水曜日のアリス」という雑貨店がブレークしている。名古屋・大阪に続き、10月24日に東京の渋谷に新店舗をオープンさせた。業種としては雑貨販売店に分類され、取扱商品は店舗名から連想されるようなメルヘンチックなお菓子、アクセサリー、そして雑貨類。しかしながら同店の面白みは、店頭・店内の装飾や細かな仕掛けに最大限の配慮を行い、これを不思議の国のアリスという世界観でラッピングしている点にある。
店内は、雑貨店でありながら、ちょっとしたテーマパークでもあるところが「水曜日のアリス」の最大の特徴だ。床に怪しげな猫の足跡があり、鍵穴をのぞくと中にチャシャ猫がいたり、トランプの兵隊のテーブルがあったりと、単なる雑貨店ではない明らかな仕掛けも存在している。雑貨を取り扱うというだけなら、おそらく大型量販店やテレビ通販でも対応できる上、むしろ彼らに分があると考えることもできる。しかしながら、「水曜日のアリス」はその規模の差をハンディとすることなく、ブレークを果たした。これは現在の遊技業界において苦戦している小規模ホールにとっては、貴重なテストマーケティングデータとなるはずだ。