東京証券取引所第1部に16日、上場したリクルートHDは、売り出し価格(3100円)を7.4%上回る3330円で初日の取引を終えた。日経平均株価が大幅安となる中で上々の滑り出しだ。ただ、今年新規株式公開(IPO)した企業では、株式公開直後の高値を抜けられない企業も少なくない。上場以降も業績を上げ、株価をいかに高めるかが問われる。
昨年来の株式市場の回復を背景に、国内では大型上場が相次いだ。だがジャパンディスプレイは上場の翌月、業績の下方修正を発表し株価が大幅に下落した。現在の時価総額は上場時から2千億円以上も下がっている。
同様にすかいらーくや日立マクセルも売り出し価格を下回る株価(10月16日終値)だ。SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは「世界的にも上場後、(株価の伸びが)期待はずれのケースが散見される」と指摘する。
リクルートHDについてSMBC日興証券の西広市・株式調査部部長は「地合いは不利だが、初値を上回ったということは期待感がある証拠。マーケット全体にはプラスの要因になる」と評価した。
ただ、今後も株価を維持・向上できなければ、成長を見込んでIPO時に株式を購入した投資家の失望を招き、投資意欲を冷え込ませる恐れがある。
株式市場が軟調に推移する中、リクルートHDは、業績や株価をいかに高めるかが大きな課題だ。