消費税率引き上げ後の販売低迷で、自動車メーカーが足元の生産を抑制する動きが出ている。ホンダは埼玉県の工場で10~11月の金曜日の操業を休止し、完成車の在庫を削減する方針。トヨタ自動車や日産自動車も休日出勤や残業を減らし、生産を調整している。自動車産業は国内製造業全体の出荷額の約2割を占め、部品メーカーなど裾野が広い。国内販売の低迷が長期化し、減産の動きがさらに広がれば、日本経済に与える影響は大きい。
ホンダはミニバンやセダンなどを生産している埼玉製作所狭山工場(埼玉県狭山市)で、10月の最終金曜日と11月の毎週金曜日の操業を休む。計画していたほど販売が伸びず、在庫が積み上がっているからだ。
休止した分は12月以降、休日出勤に振り替え、生産水準を戻す。それでも、約100万台としていた今年度の国内販売計画の達成は難しいとみられる。
海外への生産移転を進めているホンダは輸出が少ないため、国内販売の状況が生産に直接影響しやすい。ただ、「平日の特定の曜日を休業にするのは珍しい」(自動車大手幹部)。
もっとも、国内の販売低迷で減産を余儀なくされているのは他社も同様だ。
トヨタ自動車の国内生産は4月以降、前年割れが続いており、「休日出勤や残業を減らすなどして、生産台数を調整している」。日産や三菱自動車も休日出勤を減らすなどの対応をとっている。