訪日外国人向けの免税商品の対象が10月から消耗品にも拡大されることで、恩恵が大きいとみられる化粧品をめぐり、メーカー各社や小売業界が色めきたっている。
「メード・イン・ジャパン」の化粧品は中国や欧米で人気が高く、日本製ならではの品質の高さをアピールする構えだ。観光庁によると、2013年に日本を訪れた外国人が使ったお金は総額1兆4167億円。国内消費の活性化につなげるため、政府は30年までに4兆7000億円に増やす目標を掲げており、化粧品の拡販にも期待がかかる。メーカー側も「言語の壁」や免税手続きの煩雑さといった課題を克服し、収益拡大につなげようと準備に余念がない。
言語の壁を解消
ポーラ・オルビスホールディングス(HD)のグループ企業で、外国人にも人気の高い中価格帯ブランド「スリー」を製造・販売するアクロ(東京都品川区)は8月、関東在住の販売員を対象に英会話スクールを開講した。外部から講師を招き、第1陣の販売員13人が週1回、1時間半をかけて接客で使う英会話を学んでいる。