同社が9日に発表した日本マクドナルドの8月の既存店売上高は前年同月比25.7%減と、目を覆うばかりの状態に陥った。特に客数は16カ月連続の前年割れとなっただけでなく、マイナス幅が16.9%減と大きく膨らみ、客離れが加速する緊急事態となっている。
予想の3倍程度も売れ、唯一の好材料ともいえる子供向けメニュー「ハッピーセット」もつまずきをみせた。セットにつけることで人気を呼んだアニメ・ゲーム「妖怪ウォッチ」のカードが不足してしまったのだ。
鶏肉問題の影響で「10億円規模」(財務担当役員)としてきた14年度通期の営業損益の減少は、このペースが続けば想定を大きく上回る可能性も否定できない。それでも同社は「客離れは底を打った」と強気の見方を示し、業界や市場関係者をあきれさせている。
客足を取り戻すのは商品の魅力を高めるのが王道だが、日本マクドナルドは経験したことのない大逆風にどう立ち向かい、負の連鎖を断ち切るのか。カサノバ社長をはじめとする経営陣の真価が問われる。(平尾孝)