■塚原総監督夫妻の“熱意” 花開く
◆存続の危機 乗り越え
朝日生命体操クラブは、同社創業90周年を記念しての「健康づくり運動」の具体化としてスタートしたのだが、始めたスポーツは実は他にもう2種目あった。それはテニスとバレーボールで、それぞれクラブを強化・充実するとともに、教室運営の展開に力を入れた。教室運営によって多くの人にスポーツに親しむ機会を提供し、スポーツを通じて健康づくりをより積極的に実現する動機づけが主眼であった。運営には朝日生命厚生事業団が主に当たった。
しかし、テニスとバレーボールは、時あたかも日本経済の低迷で企業スポーツの撤退が相次ぐ中、同社も同じ判断を迫られた。2002年のことだ。
体操についてもほぼ同じ流れにあったのだが、こちらは存続が決定し、一層の発展を遂げることになる。大きな決定要因となったのは塚原光男総監督、千恵子監督の“熱意”であったといえよう。塚原夫婦は、早速「塚原体操センター」(有限会社、塚原光男校長、千恵子副校長)を立ち上げ、朝日生命厚生事業団から事業の移管を受け、クラブ・教室の運営を自主的に行うことになった。朝日生命は同センターに全面協賛する形で体操事業に関わることになったのである。
クラブの練習や教室の授業は、それまでの久我山体育館(東京都世田谷区)を中心拠点として行うことになったが、体育館の所有者は朝日生命であり、運営に関わる諸費用の一部は朝日生命が援助するという協賛関係が成立した。