水素を使った発電など、水素エネルギー実用化を目指す「水素アイランド」への取り組みが、自動車メーカーなど九州の産学官で加速している。北部九州は10年前から、水素エネルギーの研究に力を注いできた。政府は、水素を次世代エネルギー源としており、九州の研究・開発を全面支援する姿勢を示す。これまでの蓄積を生かして競争力を高めれば、国内だけで8兆円と予想される関連市場を九州が席巻することも可能となる。(大森貴弘)
8月19日。福岡・天神の待ち合わせスポット、パサージュ広場とライオン広場に、水素を使う燃料電池車(FCV)が並んだ。トヨタ自動車が今年度中に市場投入するモデルや、ホンダが来年中に発売するFCVに加え、FCVへの水素供給装置も並んだ。夏休み中とあって多くの子供連れが見学し、水素社会の夢に思いをはせていた。
会場であいさつした福岡県の小川洋知事は「北部九州をFCVの開発生産拠点として発展させたい」と語った。
水素の活用法の中では、水素と空気中の酸素を使って発電する燃料電池の開発が急ピッチで進む。