東京都心と羽田空港とのアクセスを改善する鉄道の新線構想が相次いで浮上している。JR東日本は東京、新宿、新木場の各駅から羽田へ乗り換えなしで行ける「羽田空港アクセス線構想」を発表。東京急行電鉄の蒲田駅と京浜急行電鉄の蒲田駅を結ぶ新空港線「蒲蒲線」構想なども検討が進む。東京五輪が開かれる2020年をにらみ、増える訪日外国人客や海外への旅行客の需要を取り込む狙いで、実現すれば都心の鉄道網が大きく変わりそうだ。
「羽田への輸送力を抜本的に大きくできるメリットを持っていると思う」。羽田空港アクセス線構想について、JR東の冨田哲郎社長は3日の定例会見でこう強調し、実現に意欲を示した。
東京、新宿、新木場の各駅から羽田への所要時間は20分前後と、現在の半分程度に短縮。全面開業は東京五輪開催後の20年代半ばとなる見通しだが、使われていない既存設備が活用できる新木場のルートは6年後に迫った五輪前の暫定開業が可能か検討している。