■エアコンプレッサー、ドレン排水処理から
--今回公表した新技術について教えてください
「水素ガスは、一般的に水の電気分解や天然ガスの水蒸気改質といった方法によって得られます。当社は2012年に、『アルカリ金属またはマグネシウムと水を反応させて水素をつくり出す』という技術の特許を取得しました。今回、この特許技術を進化させて、水素化ナトリウムを触媒とした、より効率の高い新技術を発表いたしました。従来の特許技術とほぼ同じ工程で、理論上、倍の量の水素を得ることができます。またこの方法で得た水素は、もとから十分な圧力をもっているため、外部エネルギーソースを用いることなく、ボンベに充填できます。近い将来普及が予測される燃料電池自動車に、燃料となる水素を供給するシステムとして、非常に有望だと考えています」
--なぜ、これまでのフクハラとは一見畑違いにも見える「水素ガス」なのでしょうか
「当社が得意としているエアコンプレッサーやドレン処理は、環境保全とリサイクルという面で幅広くご支持をいただいております。たいへんありがたいことです。水素社会が実現すれば、それは最高の環境優先・再生可能エネルギーの世界です。その世界にフクハラがどう貢献できるかを考えると、やはりこれまで40年以上研究開発を重ねてきた『圧力』のことに思いがいたるのです。いってみれば、すべてにおいて『圧力からものを考える』ようになっているわけです。これまで蓄えてきた、圧力をコントロールする技術で世の中に貢献したい。これが、現在わたしが願っていることです」