漢方薬の原料、ツムラら国内栽培拡大 中国依存から脱却へ (1/4ページ)

2014.7.28 06:23

 中国からの輸入に8割を依存している生薬を国内で栽培し、漢方薬の原料を安定的に調達しようという取り組みが加速している。トレーサビリティー(履歴管理)の強化を実現するのも狙いの一つだ。漢方薬の需要は年々拡大しており、農林水産省も成長分野として生薬の国産化を重視。コスト面などの課題を抱える中、2016年度の国内生産量を10年度比で1.5倍にする目標を掲げ、自前調達の動きを後押ししている。

 研究進み効能証明

 医療用漢方薬の国内最大手、ツムラは09年に設立した子会社の夕張ツムラ(北海道夕張市)や契約農家を含め、道内での生薬の栽培面積を20年に現在の3~4倍となる約1000万平方メートルに拡大する計画を進めている。

 ツムラも原料の約8割を中国からの輸入に頼る。ただ、神経過敏や認知症による興奮などの症状に用いられる「抑肝散(よくかんさん)」の原料の一つ、センキュウは国内栽培品だけを利用している。13年度に同社の医療用漢方薬の中で売上高が3番目に多い66億円になるなど、抑肝散は需要が急伸。同社は「漢方薬の伸びに合わせ、生薬の国内栽培も拡大していく」(コーポレート・コミュニケーション室)とする。

異業種が生薬の栽培に乗り出すケースも

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