2014.7.26 05:00
□シークエンス代表/LOGOSインテリジェンスパートナー・三浦健一
パチンコの賞品買い取りについて、行政は「換金」ではなくあくまでも「賞品の買い取り行為」であり、三店方式が正常に機能して運営されていれば「直ちに違法となるものではない」というレトリックを用いてきた。しかし、実態・仕組み的に三店方式が正常に機能して運営されていてもそれは「きわめて白に近いグレー」でしかない。パチンコ営業が賭博と一線を画すために、買い取り行為の規制は非常に重要で営業の根幹に関わることだとするのが行政と法のスタンスだ。
だが、不作為責任とはいえ社会情勢に合わせたシステム改革の機会は幾度か行政にも用意されたことがあるのではないか。それを三店方式の厳正運用、賞品の持ち帰り促進(品ぞろえ)に固執し、その行政指導と取り締まりに特化したためにグレーゾーンはグレーゾーンのままで推移してきた。そのことがいま、カジノ法制化の議論の渦にパチンコが相対的に「換金」の部分でのみこまれることを暗示している。
時代に適した風営法を求める議員連盟が画策する案だが、原案はまぎれもなく特別立法案だ。パチンコがIR実施法のなかで、カジノと同じ民間賭博としてゲーミング規制法令に組み込まれる可能性が皆無というわけではない。換金をそのまま残して合法化するには手っ取り早いからだ。交換税を導入する代わりに規制緩和という甘い蜜は、いざ合法化されるとどうなるかわからない。カジノと同様の厳しい規制のかせがはめられる確率のほうが高くなるだろう。