日々の医療現場で診療に当たる医師は、現場で生じた疑問を知人の医師の口コミを参考にして解決することが多々ある。一方、身近な医師以外と交流することは少なく、豊かな知識や経験が共有される機会は限られている。医師限定で医療現場での疑問や意見を交換するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営しているメドピアは全国の医師30万人のうち、4人に1人に当たる7万人が会員となっている。石見陽社長は「日本中の医師の頭脳が詰まったポータルサイトにしたい」と意気込みを語る。
--6月27日に東証マザーズへの上場を果たした
「経営の透明性を高めることが上場の第一の目的だ。もともと医師の間での知名度は高かったが、クライアントの信頼度を増して、優秀な人材の確保につなげる。医療の世界にIT(情報技術)を融合させて、医療現場に貢献したい。2014年9月期の売上高は前年比57%増の9億円を予想している。その後も成長率を維持して医師のプラットホームにする。パソコンを立ち上げれば、必ずメドピアのトップ画面が表示されるようにしたい」
--サービスの特徴は
「最も人気があるのが薬剤評価掲示板だ。質問と回答を双方向でやりとりする薬の『食べログ』を目指している。医療用医薬品2121種を対象に、医師の処方経験に基づく口コミを掲載している。これまでに延べ30万件超のコメントが寄せられた。効果、副作用など6項目を指標とし、総合満足度を5点満点で評価している」