日立によると、産業用モーターで使用される国内の電力量は年間約3600億キロワット時で、1%効率が改善されれば原発1基分の電力量を削減でき、電気料金も抑制できる。電気機器の省エネ化は世界的な課題で、モーターについても、米国などで一定の効率の製品の使用が義務付けられるなど、高効率モーターのニーズは高まっている。
日立は産業用モーターで国内上位だが、世界市場ではスイスのABBや独シーメンスが先行する。ただ、ABBなども高効率化を進めているが、ネオジムなど高価なレアアースを採用するケースが多いという。
約100年前に創業した日立の最初の製品は産業用モーターで、アモルファスモーターは当時のモーターと比べてパワーは約10倍で、効率化も大幅に進んだ。それでも開発担当者は「最終形だとは思っていない。99%を目指したい」としている。