2014.6.4 17:00
「発泡酒」に区分変更するサッポロビールの第3のビール「極ZERO」【拡大】
サッポロビールは4日、昨年6月発売した第3のビール「極ZERO」の販売を終了、製法を変更し、7月に「発泡酒」として再発売すると発表した。
酒税率の低い「リキュール(発泡性)(1)」の区分で販売していたが、国税庁から1月に製法の照会があったため、同社も独自に検証を開始。結論次第で「発泡性酒類」のうち最も高い税率区分の製品と認定される恐れもあることから、「自主的に発泡酒に切り替えることを決めた」(同社)という。税率区分の解釈をめぐる問題でビール類の販売が中止されるケースは「初めてではないか」(業界関係者)という。
酒税法の規定では、麦芽50%未満の発泡酒に麦などの蒸留酒を加えた製品が「リキュール(発泡性)(1)」に当たり、酒税額は350ミリリットル当たり28円。仮にこの規定から外れていた場合、酒税額はビールと同額の同77円が適用される。
「極ZERO」は累計613万ケース(1ケース大瓶20本換算)を販売しており、酒税の差額116億円の追加納税を求められる事態も想定される。このため、蒸留酒を加えない製法に改め「発泡酒」として再発売する。「発泡酒(麦芽25%未満)」の税額は同47円で、切り替え後の350ミリリットル缶の想定小売価格は現行の140円前後より20~30円高くなる見通し。
尾賀真城社長は「取引先やお客様にご迷惑をおかけして申しわけない」と会見で陳謝した。「極ZERO」は初めてプリン体と糖質をカットした第3のビールとして人気を集め、今年5月末までに613万ケースを売り上げた。
手頃な価格の「第3のビール」はビール類全体の約37%まで拡大、各メーカーがシェア争奪でしのぎを削る主戦場となっている。