カルビーは2日、麦類と乾燥果実を混ぜた主力シリアル食品「フルグラ」の増産に向け、来年にも約30億円を投じて宇都宮市の工場を増設する方針を明らかにした。健康志向や「時短需要」の高まりを背景に、シリアル食品の市場規模はさらに広がると予測。「朝食ビジネスをスナック菓子と並ぶ『第2の柱』に育てる」(松本晃会長)考えだ。
シリアル市場は2012年に300億円を超え、昨年は340億円まで拡大した。従来の代表製品である「コーンフレーク」はシリアル全体の約3割まで縮小し、代わって穀物を焼き固めた「グラノーラ」が4割を超え市場を牽引している。カルビーの「フルグラ」はフルーツグラノーラを短縮した商品名で、この分野の代表的な商品。
カルビーは昨年度の「フルグラ」の売上高を95億円へと、前年度から50%伸ばした。今年度は150億円が目標で、全売上高の1割近くに達する見込みだ。
さらなる販売拡大に向けては、通販限定商品や派生商品などのシリーズ化が急務と判断。今年2月に生産ラインを2本から3本に増強した直後だが、さらに工場棟を増設する。