≪STORY≫
高温多湿の季節になると、布団に繁殖しがちなダニやハウスダストが気になる。布団クリーナー「レイコップ」は、韓国人医師の「できるだけ多くの人の暮らしに役立ちたい」との思いが結実したものだ。主力製品「RS」(昨年10月発売)は、梅雨に悩む日本人の声を製品開発に反映させ、使い勝手を良くした。
レイコップは3つのステップでダニを退治する技術が特長だ。吸引部の専用パッドが1分間に4000回振動し、布団の奥深くに潜むダニや死骸(しがい)、糞(ふん)を布地の表面までかき出す。そして、波長253.7ナノメートルの紫外線ランプの光をあててダニを弱らせ、強力な真空吸入モーターで吸引する。0.3マイクロメートルの粒子を99.7%集塵(しゅうじん)できる2層フィルターが、空気清浄機並みのクリーンな排気を実現した。
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開発・販売元の韓国・ブカンセムズ最高経営責任者(CEO)で、日本法人「レイコップ・ジャパン」(東京都港区)の社長も務める医師の李誠晋(リ・ソンジン)さん(43)が2年かけて開発した。内科医師時代にアレルギー患者が急増していることに問題意識を持ち、原因となるハウスダストが最も発生しやすい布団に着目して予防機器を作ろうと考えたのが開発のきっかけだ。
2007年3月に初代機を韓国で発売して以降、「消費者の満足度を高めること」(李さん)を主眼に改良を重ね、現在、最も進化させたのがRSになる。今回、日本人利用者の声を開発に生かそうと考えたのは「日本の消費者のレベルは高く、製品を評価する力がある」(李さん)と判断したからだ。
12年2月に現在の日本法人の前身となるブカンセムズの日本支社を構えたのを機に、日本人の開発パートナーを外部から招き、日本での開発環境が整ったことも原動力になった。