原子力発電専業の日本原子力発電が21日発表した2014年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比10.2倍の95億円だった。保有する全原発が運転停止中で発電量は2年連続ゼロだったが、販売先の電力各社から受け取る「基本料金」やコスト削減で収益を確保した。ただ、電力各社も赤字が続く中、支援継続に難色を示し始めており、抜本的な経営立て直しが迫られている。
売上高は17.5%減の1258億円だった。電気の販売先である東京電力や関西電力など5電力から、原発の保守費用などの固定費を「基本料金」として1242億円受け取った。
修繕費の見直しや夏冬の賞与(ボーナス)見送りなどの合理化効果もあって、最終損益は16億円の黒字(前期は5億円の赤字)を確保した。
原電は、茨城県の東海第2原発(出力110万キロワット)と福井県の敦賀原発1号機(35万7000キロワット)、同2号機(116万キロワット)の計3基を保有するが、11年5月以降はすべて停止している。