消費税率の引き上げに合わせて、「日本一安い」といわれる大阪のタクシー運賃が4月、国の方針に基づき一斉に上がった。そんななか、エムケイなど一部の格安タクシー各社は公定運賃幅を下回る料金で営業を続けるが、国の“圧力”は強く、業界の「反逆児」とされてきたエムケイも最終的には従わざる得ないとみられる。一方、見直しを検討していた「5千円超の運賃半額サービス」は維持される見通しで、国が大義名分とする運賃値上げによる運転手の待遇改善効果は期待薄だ。
増税の影響少なく
大阪市北区のネオン街・北新地では、長々と連なるタクシーの列は増税後も変わらない。客待ちをしていた男性運転手は「お客さんはそれほど減ってへんな」と安堵の表情をみせる。
大阪市のタクシー運賃は4月1日以降、大きく値上がりした。中型車の初乗り公定運賃の下限が660円、小型車は640円に、それぞれ20円引き上げられた。増税前、個別に認可を受け500円台の運賃で営業していたタクシーなら一気に100円以上の値上げとなるだけに“乗り控え”を危惧する声も強かった。