米国や国内で感染が確認された豚流行性下痢(PED)の影響で豚肉卸値が急上昇、その後も高止まりが続いている。大手スーパーや外食大手は一定量を定額で確保しているため、今のところ店頭での値上がりに至っていないものの、品薄観測が強まる中、卸値上昇の可能性もある。関係者の警戒感は強まっている。
東京食肉市場では、指標となる国産枝肉(上物)の価格が先月23日、1キロ当たり728円まで上昇した。今年1月の平均価格435円から67%の値上がりだ。直近でも600円前後となっている。
もともと、春以降の豚肉卸値の上昇は市場で織り込み済みだった。通常、豚は出荷まで半年かかるが、昨年の猛暑の影響で種付けが不調に終わったため、国産出荷が減少すると見込まれたからだ。
しかし今回の卸値上昇は「想定した以上」(東京食肉市場関係者)。原因はPEDだ。
昨年秋から米国全土に広がり、被害は深刻化している。出荷量、日本向け輸出の減少も見込まれることに加え、日本でも同時期に7年ぶりに発生。