国際会計基準(IFRS)を採用する企業が徐々に増えてきた。4月末に日本取引所グループや富士通、セイコーエプソンなどが任意適用を発表。監査法人トーマツによると、遅くとも2016年3月期までに、50社超が採用する見通しだ。14年3月期で、米国会計基準を適用する企業数を抜いたとみられる。また、採用するのは海外展開が進んだ主要企業が多いため、時価総額ベースでは東証上場企業の1割に達している。
14年3月期決算の発表本格化とともに、15年3月期からのIFRS導入を決めた企業が相次ぐ。日本取引所の斉藤惇最高経営責任者(CEO)は4月末の定例会見で、狙いについて「世界標準の会計基準を採用することで、グローバルな投資対象としての魅力を向上させたい」と語った。富士通は「海外拠点を含むグループ会社の会計基準をIFRSで統一し、国内外で一貫した経営管理を可能にする」と強調。エプソンは「『真のグローバル企業』としての経営基盤強化を図る」としている。
現時点で日本たばこ産業(JT)やソフトバンク、武田薬品工業など約30社が採用。米国基準の採用企業数を超え、日本基準に次ぐルールとなった。16年3月期までに、参天製薬やLIXIL(リクシル)グループ、大和証券グループ本社なども採用に踏み切る方針だ。