しかし、11年3月の東日本大震災後、状況は一変する。「電気を自給自足で賄いたいというニーズが高まった」(東ガスの穴水孝・燃料電池事業推進部長)ことで、11年度の販売台数は1万3460台、12年度は2万4517台と拡大。13年度は3万台を超える見通しだ。
技術革新による低価格化と小型化も拡販の原動力となった。東ガスは13年4月、部品点数の削減などで従来モデルよりも約80万円安い199万5000円で、本体の奥行きを15センチ抑えた製品を投入。今月24日に国内で初めて累計販売3万台を達成した。
東ガスは他社に先駆け、マンション向けの製品も今月から販売。ドア横の狭い配管スペースに収めるようにしたほか、高層階向けに耐震性も高めた。管内の新築住宅の7割を占める集合住宅をターゲットに、14年度に500台の受注を目指す。
大阪ガスは、太陽光発電とエネファームをセットで売り込む「ダブル発電」をいち早く展開。今月には従来の製品より価格を66万円抑え、国内で最も安い194万4000円の製品を発売した。累計販売台数を16年度末には6万5000台にする計画だ。