日産自動車は4日、新興国向けの低価格ブランド「ダットサン」の小型セダンをロシアで今夏から販売すると発表した。ダットサンの展開はインドに次ぐ2カ国目。今後、インドネシア、南アフリカでも販売していく計画だ。
日産は、ロシアで富裕層向けの高級車ブランド「インフィニティ」と合わせ2ブランドを使い自動車を販売してきた。今回、中間所得層の増加に対応した低価格車が必要と判断し、ダットサンの投入を決めた。
発売する小型セダンは、「ダットサン on3-DO(オンドー)」と呼ばれ、排気量1600ccで、価格は40万ルーブル(約120万円)以下を予定している。生産は、日産のロシア工場ではなく、日産・仏ルノー連合傘下のロシア自動車最大手「アフトワズ」の工場で行う。日産はロシアで2013年に前年比4.9%減の15万5000台を販売。販売台数は、今後3年間で3倍に引き上げる計画を立てている。
ロシア自動車市場は、年間280万台程度。欧州ではドイツに次ぐ第2位の規模でフランスと同等の規模とされる。昨年は景気低迷の影響で規模は減少したが、中長期の拡大が見込まれており、日本と同じ規模に拡大する見込み。日本勢では、日産以外にもトヨタ自動車、三菱自動車、マツダが生産拠点を構えている。