■帝京大経済学部非常勤講師・今昌司
26日から、フィギュアスケート世界選手権が、さいたまスーパーアリーナを舞台に幕を開ける。ソチ五輪直後の新たなスターの登場が期待されるこの大会。また驚異的な視聴率を記録するのであろうか。フィギュアスケートのマーケティング・バリューの高さに注目したい。昨年末に、同じさいたまスーパーアリーナで開催された全日本フィギュアスケート選手権は、日本代表候補選手たちが多数ひしめく、まれに見る激闘が展開された。数々の選手たちが、フェンスを強くたたいてリンクに飛び出していく姿は、世界大会の場でも、あまり見たことがない。日本選手の世界での台頭は著しく、それだけ国内の競争はますます激化している。そして、その激しい競争こそが、羽生結弦(ゆづる)選手に金メダルをもたらした一つの要因なのかもしれない。
瞬間視聴率37.9%
この昨年末の大会は、全日本選手権としても異例な会場セッティングを施し、世界選手権で国際スケート連盟(ISU)から求められるレギュレーション(規則)をほぼ満たしての開催となった。そして、女子フリーが行われた12月23日の観客動員数は、フィギュアスケート史上最高の1万8000人。満員である。他のスポーツ競技でも、さいたまスーパーアリーナを満員にできるケースは、ほぼゼロといっていい。フジテレビ系列で全国放送されたテレビ中継は、連日高視聴率を記録し、男子フリーの22日でも23.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。観客席を満員にした女子フリーの23日は、30.0%(同)。最高瞬間視聴率は、37.9%にも達した。