2014年春闘でNTTは10日、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を7年ぶりに行う方針を固めた。流通大手のセブン&アイ・ホールディングス(HD)もベアを実施する見通し。新日鉄住金など鉄鋼大手4社も賃金改善に踏み切る方向で最終調整に入っており、業績が回復傾向にある製造業をはじめ、内需型企業も含めた幅広い業種で賃上げの動きが広がっている。
NTTはグループ主要8社の月例賃金を引き上げる方針を固め、労働組合に伝えた。物価上昇分などを積み増す見通しだ。ただ、労組が求める平均3000円の基準内賃金の引き上げについては経営側が難色を示しており、12日の集中回答日に向けて厳しい交渉が続きそうだ。
電機の労組でつくる電機連合は10日、2000円のベアを最低回答基準とすることを正式決定。大手10社の経営側も受け入れる方針で、過去最高となる2000円のベアで事実上決着した。