欧州自動車市場に薄日が差してきた。今年に入り欧州経済にやや勢いが出始め、新車販売が回復しているからだ。4日に開幕したジュネーブ国際自動車ショーで各社が披露したのは、販売促進につなげたい実用的な小型車や世界的に人気のスポーツ用多目的車(SUV)。近い将来の市場投入を見据えたモデルだ。ただ欧州の失業率は依然として最悪の水準だ。ウクライナ情勢も予断を許さない。今後の販売に不透明感が漂うだけに、各社の販売戦略が問われる。
相次ぎ小型車投入
「年末に向け回復していく。ただ米国、中国と違い、回復は緩やかな曲線を描く」
日産自動車のアンディ・パーマー副社長は欧州市場をこう分析する。
自動車市場調査会社JATOによると、欧州30カ国の自動車販売台数は2007年の1600万台をピークに減少の一途で、昨年は前年比1.7%減の約1235万台に落ち込んだ。