野村ホールディングス(HD)が5日発表した人事によると、4月1日付で傘下の野村信託銀行社長に、真保(しんぽ)智絵・野村HD執行役員(48)が就任する。信託を含む国内の「銀行」で、女性のトップが就くのは初めてとみられる。
真保氏は早大法卒、1989年に野村証券(現野村HD)に入社。資本市場部やエクイティ部、秘書室などを経て、2010年6月に野村HD経営企画部長に就任した。12年から執行役員を務め、現在は経営企画やアジア戦略を担当する。真保氏は野村HD執行役員(バンキング担当)と兼務しながら、野村信託銀行社長に就く。少子高齢化を背景に、信託銀行で扱う相続関連などのビジネスの重要性が増しており、野村はグループ戦略と一体的にこれを強化する方針だ。
大和証券グループ本社も同日、社外取締役以外で初めての女性取締役に、6月26日付で田代桂子常務執行役員(50)が就任する人事を発表。金融業界で、女性幹部登用の動きが強まっている。