【シドニー=塩原永久】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が22日(日本時間22日)、オーストラリアのシドニーで開幕した。初日は持続的な経済成長の方策などを議論。世界経済全体の成長率を「少なくとも2%程度引き上げることが可能」との認識を共同声明原案に明記していることが分かった。議長国オーストラリアが成長率の数値目標を設ける提案をしたもようだ。共同声明で成長率の数値目標を盛り込めれば異例だ。
会議には、日本から麻生太郎財務相と日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が出席。日本の経済政策「アベノミクス」の中で「第3の矢」と位置づけられる成長戦略について、医療や農業の規制緩和や、経済特区などの具体化が進んでいることを説明した。
麻生財務相はG20に先立ちルー米財務長官と会談した。麻生氏はアベノミクスの第3の矢として掲げる成長戦略を加速させることをアピールした。
麻生氏は、平成25年度補正予算の経済対策を着実に実行して、景気の腰折れを避けながら、一方で4月の消費税増税を実施して財政再建を着実に進める考えも説明。金融緩和と成長戦略を組み合わせたアベノミクスで、経済再生とデフレ脱却を実現することが世界経済の貢献にもつながると強調したとみられる。