東電労組、年収2割カット解消を要求へ 処遇改善で人材流出ストップ

2014.2.17 06:15

 東京電力労働組合が、東日本大震災後に実施している一般社員の年収2割カットの解消を今春闘で求めることが分かった。4月の消費税増税などで組合員の生活が一段と苦しくなるとして配慮を求める。19日に会社側に伝える。

 政府が1月に認定した東電の新総合特別事業計画(再建計画)では、グループで2000人規模の希望退職を募るなどコスト削減を徹底する。

 コスト削減が計画以上に進めば、2014年度下期には年収のカット幅を14%、16年度には5%まで縮小する方針を掲げた。

 東電は、長期の年収カットなどでこれまでに約1500人の人材が流出。また13年度からは年俸制に移行したため、労組はベースアップ(ベア)も一時金も要求できない状態が続いている。

 東電労組としては、優秀な人材を確保しなければ成長できなくなるとの危機感もあり、今春闘で年収カット措置の解消を明確に求め、再建計画に盛り込まれた処遇改善策の着実な実行を会社側に強く促すことにした。

 大手電力労組は、今春闘でベア要求を見送るが、処遇の改善に向け、関西電力労組は一時金を求める方針だ。

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