超小型電気自動車(マイクロEV)などの農家向けEV市場が拡大する兆しを見せている。資材運搬や農業施設の電源としての利用を想定した低価格車の開発が活発化し、インフラ整備も急ピッチで進む見通しだ。専門家の間には農家でのEV普及が、伸び悩む市場全体の底上げにつながるとの見方も出ている。
ガソリン車を代替
仙台駅から南に車で40分の位置にある宮城県岩沼市。市内の農地の一角に3日、太陽光パネルを備えた「農業用充電ステーション」がお目見えした。
圃場(ほじょう)への移動や資材運搬に利用する三菱自動車製のEV軽トラックに充電。軽トラに搭載した可搬式給電装置を通し、ビニールハウスなどへの電力供給も行おうという農林水産省などの実証実験のための設備だ。
実験に参加している農家の寒風澤(さぶさわ)敦司さんは「使い勝手が良く、農作業に向いている」と話す。