私は日頃、カラーコンサルタントとして活動しています。ブライダルカラーの授業や、歯科医院のインテリアカラーの提案など、近年、色の活用の守備範囲はとても広くなっています。現在は、さまざまな業界に色の効果と楽しさを届けるため、カラー講師の養成も行うようになりました。
カラー講師の養成も含め、人材を育てる上で大切だと思うことが2つあります。1つは、「ダメ出しより質問」です。私が20代後半の頃、自分よりも年上の部下を持つことになりました。当時は、慣れぬ環境でのプレッシャーから、部下にダメ出しを連発していました。すると、部下から想像を超える反発を受け、胃の痛い思いをしたことがあります。今思えば、部下との信頼関係が築けていないうちにダメ出しをするべきではなかった…いや、信頼関係が築けていたとしても、人はなかなか他人からの指摘を素直に受け入れられるものではないと、自分を振り返っても理解できます。
今ではその反省を踏まえ、主宰するカラー講師の養成講座では、受講者同士による模擬授業の中でダメ出しを禁止にしています。また、「よかったと思う点」と「自分が色の初心者だったらどんな質問をするか?」の2つを中心に話を進めます。よかった点は、内容の充実度の確認や講師のやる気につながります。さらに、質問をされることで説明が足りない部分や、相手が興味を持つ内容に「自分で気づく」こともできます。心理学的には「人は自分で気づいたこと」しか改善できないといわれています。やはり、外圧的なダメ出しよりも質問が重要なのです。