インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」は今後も広がるのか。国際基督教大学の岩井克人客員教授とブラウン・ブラザーズ・ハリマンの村田雅志通貨ストラテジストに聞いた。
□国際基督教大学 岩井克人客員教授
■管理する中央銀必要
--なぜ今、ビットコインが注目を集めているのか
「ビットコインは政府や中央銀行を介さず、インターネットで簡単にやりとりできる。政府や中央銀行といった権威を嫌う自由主義的思想のネット世界の人々に受け入れられている。電子記号をお金として使う場合、一度使った記号を二度と使えなくする処理が必要だが、ビットコインはきれいな形で処理しており、コンピューターを愛用している人たちの心をとらえた」
--ビットコインは貨幣か
「貨幣の一歩手前だ。大昔は貝殻や塩などが貨幣だったように、多くの人が『貨幣である』と信じることでモノが貨幣になる。ビットコインはそこまで広がっておらず、投機や資金洗浄目的で使われることが多い。投機によって値段が乱高下するビットコインは、買い物の際に使い勝手が悪い。クレジットカードやカード型IC乗車券に割り込むのも難しいだろう」