17日正午頃、新日鉄住金の名古屋製鉄所(愛知県東海市)敷地内にある発電所から出火し、付近一帯に煙が立ち込めた。これを受け、同社は同製鉄所の操業を全面停止した。設備の完全復旧のめどは立っておらず、自動車メーカー向け鋼板の供給に影響する可能性もある。
同社によると、同製鉄所全体の停電によりコークス炉周辺にガスがたまった状態になったため、そのガスを燃やし放出する燃焼放散の作業を進めていた。火災ではないという。
同社は「電気設備が復旧すれば再稼働は可能」と説明。「ある程度の在庫は確保しており、取引先に迷惑のかからないよう対応する」としている。
同製鉄所は1958年に設立され、2012年度の粗鋼生産量は646万トン。同社の製鉄所の中で4番目の規模で、自動車のボディーやホイールなどに使用される鋼板の一大製造拠点として知られている。トヨタ自動車やホンダなど国内の自動車大手8社すべてが同製鉄所の製品を使用している。