■家事、子供の世話…低料金ビジネス拡大
日本経済の再生に向け、安倍晋三政権は女性の活躍を後押しする政策に力を入れているものの、育児や家事は分担が進まず、家庭内の「仕事」が全て女性の肩に掛かる図式はなかなか変わらない。そんな働く女性たちをサポートするため、時間や生活にゆとりのある高齢者のパワーを生かすビジネスが浸透してきた。助けがほしい子育て世代と、働く意欲にあふれる高齢者のニーズをマッチさせ、人件費の安さからくる低料金を武器に事業を拡大させている。
川崎市の女性会社員(36)は仕事を終えた後、2歳の子供を午後5時半に保育所に迎えに行ってからは、息つく暇もない。帰宅後は洗濯物を取り込み、作り置きの夕食を食べさせて食器を洗い、お風呂に入れる。子供を寝かしつけてからは翌日の夕食を作り、持ち帰った仕事を処理する場合もある。
夫の帰宅はたいてい午後10時以降で、接待があれば日付が変わる。「子供が2人になったらどうなるのか」。考えただけでも女性は表情が曇る。