新日鉄住金は16日、旧新日鉄出身の進藤孝生副社長(64)を社長に昇格させるトップ人事を発表した。友野宏社長(68)は代表権を持つ副会長に就任する。ともに4月1日付。宗岡正二会長(67)は留任する。2012年10月の経営統合以降、宗岡氏と友野氏がそれぞれ務めてきた最高経営責任者(CEO)と最高執行責任者(COO)の役職を廃止して進藤氏に権限を集中させ、2トップからワントップに体制を移行する。
都内で会見した宗岡氏は、進藤氏について「統合効果を早期かつ着実に発揮しつつ、所期の経営目標を達成する上で最もふさわしい人物」と説明。進藤氏は、従来の経営路線を引き継ぐとした上で「一企業としてでなく日本経済全体の利益や課題を考えて経営したい」と述べ、海外での競争力強化を課題に挙げた。
進藤氏は総務や経営企画部門が長く、新日鉄住金では今年4月に予定される小倉製鉄所と八幡製鉄所(いずれも北九州市)、和歌山製鉄所(和歌山市)と堺製鉄所(堺市)など旧2社の製鉄所間の組織統合を担当した。