【ワシントン=柿内公輔】米IBMは9日、人工知能を搭載した高性能コンピューター「ワトソン」について開発を本格化すると発表した。今後10億ドル(約1050億円)を投じ、2千人規模の専門の事業部門を設立する。
IBMの創業者の名前にちなむワトソンは2011年に開発され、人間の話し言葉を理解し、膨大なデータベースを駆使することで問題の解決策を導く能力に優れている。11年に米国の人気クイズ番組で、人間のチャンピオンを破ったことで一躍有名になった。
IBMはワトソンに詳しい研究者や各事業部門のコンサルタントなどによる専門の部署を新設。医師の診療システムや、金融サービスや小売り、通信など幅広い分野での活用を目指す。
さらに1兆ドル規模の投資ファンドを設立し、専門のアプリ(応用ソフト)などの開発も進める。