2027(平成39)年に東京~名古屋で先行開業し、2045(57)年に大阪まで延伸するJR東海のリニア中央新幹線計画。関西財界などは昨年12月、大阪までの同時開業を求める決起大会を開き、活動を本格化させた。
ただ、資金支援のめどはなく、当のJR東海はつれない。そもそも、関西が大々的な活動を始めたのは東京~名古屋のルートが確定した今秋以降。まるで“いちゃもん言い”のような対応に、周辺からは「出遅れている。これまで動いてこなかったツケが出ている」と批判の声もあがっている。
情報不足で“敗戦”
「情報戦で負けた。その後の巻き返しもできなかった」。関西の財界関係者は嘆く。今をさかのぼること6年前の平成19年12月。JR東海によるリニア計画の電撃発表は、世間を驚かせた。世界初の超電導リニア投入、東京~大阪67分…。
実はこのとき、全額自己資金で建設することや、東京~名古屋と名古屋~大阪の2段階で進めるという方針の原形も示されていた。関係者は「構想段階で情報をつかめていたら、関西の意向もある程度反映できたかも」と悔やむ。