2014.1.7 05:00
日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」が、1月にも累計販売台数10万台に到達する見通しだ。
実現できれば、2010年12月の発売から3年2カ月で10万台となる(2月にずれ込んでも3年3カ月である)。ハイブリッド車(HV)のトヨタ自動車「プリウス」が10万台に達するまで、1997年の発売から2002年8月まで4年9カ月を要した。
これと比べ普及速度は速い。だが、日産から声高なアピールはない。日産は11年6月に発表した中期経営計画で、16年度までに仏ルノーと合わせEVを累計150万台販売すると、ぶち上げた。ただ、目標値と現実の隔たりはあまりに大きく、昨年末には20年度に達成時期を延期。それでも必達は難しいかもしれない。
さて、プリウスよりも速く到達する10万台のうち、半分の5万台はこの1年間で販売された。特に米国の販売実績は大きい。サンフランシスコ、ロサンゼルスといった西海岸やアトランタで販売が好調。
航続距離を伸ばし値段を下げた新モデル投入もあったが、米国でのEVへの優遇策は大きい。特に補助金は国だけではなく、州によっても受けられる。また、カリフォルニア州などでは、道路に優先車線があり、ガソリン車やHVでは2人以上乗車しないと走行できないが、EVは1人運転が許されるのだ。
もっとも、こうした優遇策の背景には、カリフォルニア州の「ZEV(ゼロエミッションビークル=EVや燃料電池車などの無公害車)規制」に代表される環境規制強化の動きがある。ZEV規制とは、大手自動車メーカーを対象に販売台数の一定割合をZEVにするよう義務化する州法。