中国企業の畜産買収攻勢で波紋 大手商社が警戒、優良物件で争奪戦 (1/4ページ)

2013.12.30 06:10

 食肉大手などの中国企業が豚肉・牛肉牧場や加工会社の大型買収に乗り出し、波紋を広げている。経済成長や食生活の変化で国内生産が需要に追いつかないため、先手を打ち出した格好だ。日本の大手商社は「輸入牛肉の買い付けや牧場買収で『買い負ける』例も増えた」と警戒感を強める一方、中国市場の商機を取り込むことで、日本向けの安定供給確保につなげたいとしている

 「異変だ…」。丸紅の関係者が漏らした。同社が1988年に参画した豪州ニューサウスウェールズ州の牛牧場レンジャーズバレー。日本式の高級穀物肥育牛が人気を呼び、今年に入り、中国向け輸出が前年比で3~4割伸び出したからだ。丸紅は中国向けを増やす一方、拠点増強や米国を中心に新たな畜産生産拠点の検討に入った。

 国内業者に募る不信

 伊藤忠商事は今年1月、カナダの養豚・豚肉の一貫生産会社ハイライフの株式33.4%を約50億円で取得した。狙いは中国市場。

「海外の牛肉や豚肉農場の買収で安定供給を図る戦略に転換した」

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