今年は惜しくも2位に終わったものの、前年比約6400人増と健闘した。受験料3万5000円で計算すると、2億2000万余のプラスとなる。
すべて駅伝効果と決めつけるのは単純過ぎるが、同校の襷(たすき)の色、「鉄紺」カラーは注目度を増すばかり。
出場常連校となった青山学院大は箱根の成績に比例するかのように、志願者を増やしている。優秀な指導者を招いて強化を図り、「駅伝の青学」が全国に知れ渡りつつある。一部のキャンパスを東京・青山に戻し、洗練された都会的な雰囲気で、今時の学生気質をくすぐる作戦との相乗効果で、好感度抜群との評判を聞く。
◆名門校でさえ
優勝回数最多の「14」を誇る名門・中大は今年、往路5区でリタイア、84年連続87回出場で初の棄権、連続シード権も「28」でストップという屈辱を味わった。再起を期して臨んだ予選会(10月19日)でも苦戦、ぎりぎりのところで本大会への切符を手にした。
「ハラハラし通しだった。落ちていたら本当に大変でした」。ホッと胸をなでおろすのは、陸上部OBではない大学関係者。「ただでさえ、うちの大学は八王子に移ってから、受験生確保に四苦八苦していますからね。もし、箱根に出場できなかったら、経営的にも窮地に追い込まれていたでしょう。選手たちには、名門復活のきっかけをつかんでほしい」と捲土(けんど)重来を期す。