前を走る車との位置関係を把握し、衝突の危険が高まると自動でブレーキをかけるシステムが、高級車だけでなく低価格帯の車でも搭載されるようになってきた。登場から10年余りを経て普及が進んだ結果、開発や製造のコストが安くなったためだ。部品メーカーの共同開発も活発化しており、さらに身近なものとなりそうだ。
自動ブレーキシステムが初めて導入されたのは、平成15年6月発売のホンダの高級セダン「インスパイア」だ。以降は高級車を中心に搭載されていたが、昨年12月発売のダイハツ工業の新型「ムーブ」(107万円~)が低価格化への道筋をつけた。
同車のシステム「スマートアシスト」は、時速4~30キロで走行中に前方20メートル以内の車を赤外線レーザーレーダーで検知し、衝突の危険性が高まると緊急ブレーキを作動させる。システム価格は、それまでの半分以下の5万円とリーズナブルなことが最大の特徴だ。