大手百貨店が原点ともいえる「御用聞き」を強化している。景気持ち直しで好調だった首都圏売上高の伸び率が減速し、地方では大型ショッピングセンター(SC)との競争が激化。百貨店各社は、培ってきた外商のノウハウの活用に期待する。
東京・日本橋に三井不動産が建設を進める高級賃貸マンション「パークアクシスプレミア日本橋室町」。家賃が月100万円を超える部屋もあり、三井の賃貸マンションでも最高級ランク。入居者は、百貨店が強みとする富裕層と一致する。
三越日本橋本店は、このマンションの入居者向けに「御用聞きサービス」を始める。希望者には専門の担当者がつき、入居者のニーズに応じて商品配達や、劇場チケットの手配などを一手に引き受ける。要望があれば、三越で扱っていない商品を取り寄せて提供することもあるという。
「お客さまの好みや希望を聞いて対応するため、商品を並べて店頭で待つよりも販売機会を確保できる」。