自動車業界の好調を受けて、鉄鋼や化学・合繊など関連素材メーカーが相次いで設備投資に乗り出し始めた。
各社は中国をはじめとする海外で日系自動車メーカーの工場近くの拠点を増強したり近隣に生産拠点を新設したりする動きを活発化している。
需要の大幅な伸びが見込めない国内での投資には依然、慎重だが、自動車の好調に続く、素材各社の投資拡大は景気の回復基調を後押ししそうだ。
神戸製鋼所は今秋、中国天津市の自動車パネル用アルミ板材製造・販売会社、中国・鞍鋼との合弁で、自動車用冷延ハイテン(超強力鋼)の製造・販売会社の新設を決めた。
同社は、中国の自動車生産台数が昨年の1900万台から2020年に3千万台まで増えるとみており、業績拡大に向けて「完全に自動車を狙い撃ち」(川崎博也社長)する投資戦略だ。川崎社長は、現在は輸出で対応しているメキシコなどにも拠点進出し、現地供給を強化することに意欲を示す。