スーパーなど店頭での価格変動が小さいことから「物価の優等生」とも呼ばれる鶏卵の卸売価格が高騰している。今夏の猛暑で卵を産む採卵鶏が減って出荷量が落ちたところへ、コンビニエンスストアのおでんやクリスマスケーキ向けの需要が例年より増え、需給が逼迫(ひっぱく)したのが要因。卸売価格は足下で8年8カ月ぶりの高値をつけ、小売価格も上昇しており、家計の負担がじわじわと増している。
指標となる「JA全農たまご」のMサイズの卸売価格(東京)は8月ごろから上昇し、10月には平均で前年の同時期と比べて約14%増の1キロ当たり220円、11月25日には30%増の280円となり、「鳥インフルエンザの影響が広がった2005年以来の高値」(農林水産省)で推移する。
スーパーなどの小売価格も卸売価格の上昇が反映され、農水省によると11月中旬は10個入りパックが206円となり、この3カ月で20円以上も値上がりした。